ありがとう…ごめんね。
「静男どういうことだ?あぶなくなったら逃げろとは。」
「そのまんまの意味ですよ。弘樹さん。」
弘樹さんは、朋巳の本性をしらない。ストレスを人にぶつけるところや、
自分の思いどうりにならなかったら、殴ってくることも。
そして、とてつもない二重人格なことも。だから俺は、離婚した。
それさえなければ、本当に幸せな結婚生活だった本当におれは、ひかるの母朋巳を愛していた。
今それはきっとひかるに向いているのだろう。俺は、何度も悔やんだ。
なんであの時ひかるの親権をあいつに渡してしまったのだろうと、俺が
ひかるを虐待への道へ連れて行ってしまったようなもんじゃないかと。
ひかるは、きっと耐えて耐えて耐え続けて来たんだと思う。
俺ですら…ヤクザの俺ですら耐えられなかったのに。殴られ慣れてる俺が
耐えられなかったのに。俺たちが離婚したのは、ひかるが5歳の時だった。
18になったらひかるを俺が引き取る約束をして。そして、俺はあの家を出た。
いや…あの家から逃げたんだ。幼いひかるを残して。ひかるは、この13年間
我慢し続けていたのだろうか?それとも、全く手を下されなかったのだろうか?
いや、そんなことはない。きっと我慢して来たんだろう。
俺は、なんてひどいことをしたんだろう。このあとおれは、
俺はひかるを一人で家に返したことをこんなに悔やむとは思っても見なかった。

不安

ひかるが家に帰って一週間がたった。あの時ひかるは、
「遅くとも一週間後には、一度ここに来ます。」と言ってこの家を出た。
そして、今学校の前に光輝君と弘樹さんと、俺でいる。ちょうど下校時間の少し前だ
ここにいれば、必ずひかるは来るとわかっていた。でも、下校時刻を一時間過ぎても2時間過ぎてもひかるは、現れない。だから俺たちは、家にいくことにした。
家からはとてつもない怒鳴り声と、何かが割れる音、人が殴られているのだろうかごめんなさいと言っている声が、外にまできこえていた。弘樹さんたちは、状況が読めていないらしく、「どうしたんだ?」と慌てている。俺は、家の中でどんなことが起こっているのかが予想がつくため急いで家に向かって走ったその後を弘樹さんたちも追いかけて来た。
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