ありがとう…ごめんね。

家の玄関の鍵は、空いていた。
家の中に入ってみると、割れたお皿や血と思われる赤いものなど
足の踏み場がないとはこのことだろう。俺は、靴のまま中に入った。
すると、ロープで柱にくくりつけられたひかるとそれをくるったよくに殴り続ける朋巳
の姿があった。ひかるは、気を失っている様子でおれは止めに入った。
すると、朋巳は殴る的を俺にむけた。でも、そこに光輝君と弘樹さんがいるのに
気がついた瞬間ものすごい早さの切り替えで、「まぁ、いらしてたんですか弘樹さん
光輝君。少々散らかっていますがどうぞゆっくりして行って下さいね。」
弘樹さんたちは、驚き過ぎて声も出ない様子だ。
そして、朋巳は「ひかる弘樹さんたちに挨拶しなさい。
何寝てんだよ」と言ってひかるを蹴り始めた。
ようやく状況が飲み込めたのか朋巳をあわてて止めに入った。
光輝君は、ひかるをロープから開放して抱きかかえそのまま車へと向かって行った。
そして、弘樹さんと俺で朋巳を押さえ込みそのまま警察へと連れて行った。
すべての事情を話し、怒り狂った朋巳を渡すと警察も信じた様子でまたひかるを連れて来て事情をききたいと言っていた。そして、俺と弘樹さんはひかると光輝の待つ
家へと帰った。家へと帰るとひかるは、目覚めていた。
俺が「大丈夫か？」ときくとひかるは、急に逃げ出した。
この家の中には、どこもかしこも組の奴らがいるのに逃げても意味がないだろうと
思ったが組の奴らがひかるを捕まえようとすると、一発で急所を打ちこんで倒していっているでは、ないか。俺があっけに取られてるうちに、ひかるは、部屋に鍵をかけ
閉じこもってしまった。
そして、「ドア越しになら喋ってもいいよ。お父さん。」
と言って来た。「なぜドア越しでしかダメなんだ？」ときくと
「身体をみられたくないから。」と言って来た。
今無理やり出すとよけい大変なことになりかねないと思った俺は、
その条件を飲んだ。そして、いろいろなことをきいた。
俺が出て行ってすぐから虐待はあったのか？を始め朋巳に関する事を。
そして、それをその日のうちに警察へと持って行った。
警察へと行って帰って来てもひかるが、部屋から出る様子はなく、
ひかるに「そろそろ出て来てくれないか？」と訪ねてみたところ
ひかるは、「無理だよ…」と弱々しい声で言って来た。
でも俺は、今出てこなかったらもう絶対に出てこない気がしたため無理にでも
でてこさそうとした。でも、ドアにバリケードをつくったらしく
ごつい大人3人がかりでも、ビクともしなかった。