僕らはみんな、生きている。
 けど、その翌日。

 秀司からの電話。
 
「もしもし」

 最近よく話すようになったのは嬉しい。

「麻美?
 どうしよう」

 でも、その気持ちはすぐに消えた。

「白いもやもやみたいなものが見える。それがトリみたいな形になって、怖い」

 声が出なかった。
 
 秀司が、幻覚を見るようになった。
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