僕らはみんな、生きている。
「トリ?」

 困惑していると、

「このままだと外に出られなくなっちゃうよ!」

 と言った。

 そのせっぱつまった秀司の声を聞いて、私は一呼吸置いてから

「秀司、病院に行こう?」

 それから私は、病院なんていったら、自分がおかしくなったと認めなけれないけない、誰かに知られたら差別される、バイト先の店長が知ったら嫌がられるかもしれない、
 と、あらゆる不安を私にぶちまけた。

 それを私はただ黙って聞くしかなかった。
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