僕らはみんな、生きている。
 レジの前に立つと、あの親子連れの四人が来た。
 麻美が伝票を見ながらレジを打とうとすると

「あなたね。いちいち言わなくてもわかるわよ。店長はどこ?」
 と、急にいら立った態度で女性が話しかけてきた。
 
 とんだ災難である。

「は……」
 あっけにとられた様子の麻美。

「だから店長を呼んでよ」
 女性の近くにいた男の子で、やっと頭の中で何があったのかが理解できた麻美は、瞬時に「店長を呼んだらこのお客さんが帰ってくれない」と考え、

「呼ぶ必要は無いと思いますが」
 やんわりとそれを拒否しようとした。
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