僕らはみんな、生きている。
 私は、秀司のことが好きだ。大好きだ。

 今、気づいた。

 こんなにも会いたいと思っていたなんて。


 公園に入ると、ベンチの前にバイクをとめて、ベンチに座っている秀司が見えた。

 私に気がつくと、秀司は立ち上がった。
 そして、私を見て、にっこりと笑った。

 元気になったんだね。
 昔の秀司だ。私の知ってる秀司。元に戻ったんだ。良かった。本当に良かった。

 秀司に駆け寄ると、そのままの勢いで秀司に抱きついた。

「わっ!」
 びっくりしていたけど、気にせず肩におでこを乗せて背中に手を回した。
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