地味子と地味男の秘密

い、一緒!?...

 教室に戻った私は、ちょっと笑っていた。

 だって・・・隣の席がさっきの井龍 翔って言う人だよ?

 なにこれなんか仕組まれてんの?

 ずっと笑っていたら井龍から話しかけられた。

 「ねえ、なんでそんな笑ってんの?」

 「え!?いやぁ、別に?・・・・・ププッ」

 「やっぱり笑ってる・・・」

 「私笑って・・・ククッ」

 「なんかひどい」

 喋ってみると案外いい人なのだとわかった。

 それと驚いたことがもう一つ。

 私が家族以外の人と喋っていること。

 それも男子。

 しかも、笑っている。

 そう思うと私も成長したのかな?なんて思ってたり。

 でも、周りの人はうるさい。

 『うっわぁ、ださいコンビで喋ってるよ』

 『ねぇねぇ、あの二人付き合ってるのかなぁ?』

 『え~、付き合ってたらまじうけるんですけど~ださカップルゥ?』

 『橘が笑うところ初めて見たな、俺』

 『あぁ!俺も俺も!!』

 最後らへんは小さい声だったから聞き取れなかった。

 その後は、私も井龍も気まずくなって喋らなくなった。

 授業は今日はなぜか頭に入ってこなかった。

 頭の中は井龍のことでいっぱいだった。
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