チョコレートトラップ
「私、ウソタと……。

 ううん。ウソタが

 勝手にあり得ないことを……」


私の言葉を訊いた瞬間、

凛がウインナーを

運ぼうとしていた手をぴたりと

止めた。


そして少しの間の後、

とてつもなく大きな溜め息が

こぼれた。


「もしかして芹菜!

 ウソタ、何かまた変なこと

 言い出したの?」


凛の言葉にドクンと心臓が波打つ。


昨日、凛に伝えたかったこと。


それを今、ちゃんと

伝える時なのかもしれない。






< 91 / 279 >

この作品をシェア

pagetop