御曹司の秘書さんの日常◆
武が振り向くと、
そこには、「神原レイナ」が立っていた。
げっーーー
「…レイナ様。こんにちわ。
今日もオレンジのドレスが大変お似合いですね。
今日は、お父様の付き添いでいらっしゃいますかーー?」
武はすぐに秘書の顔で
レイナに向き直った。
「えぇ。そうよ。
貴方に、昴さんを寝取られてるけど、
私の魅力で、女の方がいいってわかってもらおうと思って
昴さんを誘惑しにきたの。」
「え?昴さんをーー?」
ナミが顔をしかめる。
そりゃそうだろ。
寝耳に水もいいところだ。
「そぉよ~、あなたも気をつけなさい。
この男はゲイよ。
しかも、上司をたぶらかすのよ?」
ナミと武は目を合わせて苦笑するしかなかった。
「まぁ、知らなかったわ。趣味が変わったのね?
ねぇ、武さん?」
「だろう?俺も、知らなかった。」
武は、やれやれと肩をすくめて見せる。