Apasionado!３～俺様社長様の甘い誘惑～

「誰でも一緒ですよ。女の子は子どもの頃から漠然と結婚して子どもが出来てなんて思ってて…妊娠したら十月十日お腹の中で赤ちゃんを育てて母親になるリハーサルしてますけど父親は赤ちゃんを見るまで父親としての自覚なんて中々生まれませんよね」


確かに志織の腹が段々でかくなっていくのを見て赤ん坊の存在は頭では理解していたが志織がよく言ってたように『可愛い』とい う意識はなかった。


母親は自分の体に新しい命を感じるが父親は生まれて顔を見るまで正直実感はない。


「だから生まれた赤ん坊が毎日ちょっとずつ成長するように親も毎日ちょっとずつ父親母親になっていくんですよ。成長していくんですよ」


「…そうかもな」


目もよく見えてず、ただ母乳を飲んで出して泣いて寝るだけの赤ん坊が徐々に目が見えて親の顔を認識して笑う。


それを見ていると日々愛しさが募る。


それが親としての成長か。