Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「寝たか」
「はい。今日ははしゃいでいたからよく眠れるでしょう」
恭介さんはいつものようにスコッチを飲んでいる。
「ん。はしゃぎ疲れだな」
「えぇ。恭介さんは?疲れてませんか?」
「俺はあいつらとは違う」
それは分かってますが。
「あのスマホカバー」
「はい?」
「あれは涼のアイデアか?」
「えっと」
「クククク…お前の入れ知恵だろ」
バレてる。
でも『入れ知恵』って何か失礼な言い方よね。
「お前いつも言ってるもんな。もっと大事に扱えって」
「涼と陽菜が恭介さんに何をプレゼントしたらいいか悩んでたんです。陽菜に至ってはリリーの絵の付いてる物なら喜んでくれるんじゃないかと言ってたし」
「はっ?リリーか?もしかしてリリーのイラスト入りのマグカップとか」
あら、よくお分かりで。
「えぇ。涼が止めましたけど」
ほっとしたような顔。
「涼はネクタイって言ったんですけど1000円前後で買えないし」
「だからスマホカバーか」
「はい。あれなら邪魔にはならないでしょ」
「あぁ。おかげでサンショウウオのストラップも外せた」
「フフフ…」
春休み旅行の陽菜からのお土産。
会社では外していたけど陽菜がいる土日は仕方なしにつけてたんだものね。
恭介さんも陽菜には弱いから。