卒業 ―ずっと、一緒だよ―
「――ああ、もう来てたのか。今開けるから。」

声がして振り向いた。
生徒会顧問の先生だった。

両手で、ダンボールの箱を抱えている。

「これ、持ってくれるか。」

手渡された箱は、ずっしり重かった。

先生が、生徒会室の扉を開け、電灯をつけた。
私も続いて中に入り、机の上に箱を置いた。

「ああ、それ、先に見ていていいよ。
この中から、使うのを選んでもらうから。」

私は、ゆるく閉じられた箱の蓋をあけた。

中身は写真の束だった。
私たちの、3年分の思い出。
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