運命‐サダメ‐
気のせいかと思ったけど、ずっと視線を感じていた。
それは、無言のプレッシャーとなった。
結局私は、お兄さんの表情について、何も言えなかったんだ。
その表情が事件に関係あると、確信もなかったから。
警察に聞いたところによると、車に元々細工がしてあった。
ウィンカーを出すと、爆発する仕組みになっていたみたいだ。
それも、外からは分からないように配線がしてあったらしい。
お姉さんや上司とも普通に話していたけど、その間もお兄さんの笑みが頭から離れなかった。