運命‐サダメ‐



「そこに座っているからって、必ずしも見ている訳じゃないのにね」




私の席を指差して、お姉さんが不満そうに言う。



確かに、絶対外を見ている訳じゃない。


だけど今回は、私は見ていたんだ。


お兄さんが関わっていたせいで。


しかも、お兄さんの怪しげな表情を見てしまった。



本来、それを警察に言うべきなんだと思う。


だけど、事情聴取中ずっと見られていた。


お兄さんが、私を見ていた。




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