運命‐サダメ‐



“また明日”の言葉通り、彼が目の前に立っていたのだ。



その現実こそが、夢でないことの証。


私は、無視出来ない運命だった。




「お疲れ様」




そう、にこやかに笑って言った。


その表情を見ると、昨日とは違い、嘘だったかのように思えた。




「お疲れ様です」




私が返事をしたとたん、妖艶な笑みが零れた。




「ちゃんと、オレの言うこと聞いたみたいだな」




それは急なことで、一瞬何を言っているのか分からなかった。




< 28 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop