運命‐サダメ‐
“また明日”の言葉通り、彼が目の前に立っていたのだ。
その現実こそが、夢でないことの証。
私は、無視出来ない運命だった。
「お疲れ様」
そう、にこやかに笑って言った。
その表情を見ると、昨日とは違い、嘘だったかのように思えた。
「お疲れ様です」
私が返事をしたとたん、妖艶な笑みが零れた。
「ちゃんと、オレの言うこと聞いたみたいだな」
それは急なことで、一瞬何を言っているのか分からなかった。