戦闘?爆撃?一体、何の事を言っているんだ?俺はさっきまで留置所にいたはずだが。

「俺は・・・・・・小林正也だろ?どうしてここにいるんだ?俺は人殺し・・・・・・」

「はぁ?お前、かなりやられているなあ。お前が人殺し?笑わせてくれるなあ。お前が
人殺しだったら、俺はどうなるんだよ。それに小林正也って誰だ?」
 
何かで汚れたのか、黒ずんでいる歯を見せながら男は笑う。

「え?じゃあ、俺は一体誰だ?それに戦闘って何だ?」

「・・・・・・お前、本当にヤバイな」

 笑みを見せていた男の顔が徐々に笑みが消えていく。

「まず、お前の名はリーだ。今俺たちはお偉いさんの命令に従って敵だと言われている奴らと生まれて物心ついたころから戦っている。ちなみに、俺の名は覚えているか?」
 
男は真顔で俺に問い掛けるように訊く。俺は首を横に振る。

「そうか。俺の名はカーン。お前の親友だ。少しは記憶が戻ったか?」
 そう言って男は俺の頬を優しく手で撫でる。
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