八章 戦場の少年
ドン!!

俺の耳に地響きと共に、鈍い恐怖を与える音が聞えてくる。

ここは何処だ?

目を覚ました俺は見覚えのない、今にも崩れ落ちそうな至る所にヒビの入ったコンクリートの天上が目に入る。

辺りも見渡すと、俺の周囲には転がるように包帯を巻かれた人が地べたに寝ており、異様な光景であった。

「あ!ああ!!」
 
その驚きに満ちた声と共に、リュックサックみたいなものを身につけているのか、ガシャガシャと音を立てながら俺の方に誰かが近寄ってくる。

「おい。やっと目を覚ましたなあ。このまま死んでしまうかと思ったよ」
 
そう言って俺の前に顔を見せたのは、髪が女のように長く上半身が黒のタンクトップに泥だらけのベイジュの短パン履いた、背中にはライフル銃のようなものをかついでいる小柄な童顔の男であった。

「ここは、何処?」と俺は声を発した。すると、身体中が激痛に覆われ思わず顔をグチャグチャに顰める。

「おい、あまり話すなよ。傷口が広がるぞ。どうやら、記憶が少し飛んじまっているみたいだな。ここはF21基地だ。お前は一週間くらい前、敵軍と戦闘中の際、敵の爆撃にあってここに搬送された」


 俺は激痛に耐えながらも男の話を聞いていたが、全く状況が把握できなかった。
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