クッキーと花びら【短編】
「ど、どうしたんですか?」



天野くんが、焦ってる。



私の体はアッサリと我慢の限界を越え、涙がこぼれ落ちていた。




「なんでも…ないよ。新人で来た天野くんも、成長したんだなぁーって。
感動したの。」




上手く、ごまかせたかな…






「…泣かないで、下さい。」



彼が近づいてきて、私の頬をソッと触り、指で涙を拭った。




私は慌てて彼から離れ、下を向いた。




「ははっ… オバさんになると、涙もろくてダメだねー。」


わざと明るく言った。







「おばさんじゃないです。」



彼の声は優しかった。






「美緒さん… 俺… 」



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