雨あがりの空に
「…翠!?」

ガバッ!!


俺は、勢いよく飛び起きた。


いつの間にか…寝てたみたいだ。

俺は、夢を見てた。


夢の中の俺は、まだ中学生だった。

翠との出逢いだった。


“仙崎くん”

翠は、俺のことをそう呼んでいた。


どんなに手を伸ばしても、翠には届かなくて。


俺が近づけば翠は離れていく。


“来ちゃダメ。仙崎くんと私の進む道は違う”

“何がダメなんだよ!どうして離れていくんだよ!”

“私のこと忘れないで。ずっとずっと…未来の私によろしくね…”



“私のこと忘れないで”



翠は消えた。


白い白い雲が広がる向こう側に……。



そこで、俺は目が覚めた。
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