雨あがりの空に
先生は、俺がずっと握っていた、翠の手首をそっと奪うと…手を当てて時計を確認した。
「……残念ですが…午前7時32分…ご臨終です…」
何で?
翠の手は、まだこんなにも温かいのに……。
まだ、確かな温もりが…ここにあるんだ。
俺が握っているこの手は、凄く温かいんだ…。
病室の外では、七恵さんが静かに泣いていた。
翠は、もう一生…目を開けることはなかった。
もう一生……。
翠は旅立った。この雨あがりの青空に……。
「……残念ですが…午前7時32分…ご臨終です…」
何で?
翠の手は、まだこんなにも温かいのに……。
まだ、確かな温もりが…ここにあるんだ。
俺が握っているこの手は、凄く温かいんだ…。
病室の外では、七恵さんが静かに泣いていた。
翠は、もう一生…目を開けることはなかった。
もう一生……。
翠は旅立った。この雨あがりの青空に……。