変わった二人の変わった戦い【短編】
『俺は美月のが可愛い思うけどなぁ~』
は?
たったいま吐き気がする
って言うたばっかやのに
耳に入ってきた可愛いの言葉
『お前いつのまに山下の事下で呼ぶよになったわけ』
『それゎ俺と美月だけの秘密やわ』
ニコッと笑って口に人差し指を当てる
『なんじゃそれ』
ゲラゲラと大声で笑うハイエナ達
その中でうちを見てニッて笑う坂上
ほんましつこい
男となんて関わりたくないから
無視してたけど
さすがに限界
冗談でも言われたない
第一そういう言葉が
女たらしの証拠やねん
ガタッー…
『美月?』
亜矢が立ち上がったうちを見上げる
まさか自分から男に話しかける日が
くるとは思ってへんかった
『坂上、冗談でも言わんで、あとあんたらもそんな本に載ってるような女と一緒にすんな』
多分うちの顔は最高級に怪訝な顔してる
『山下が話しかけてくるとかレアじゃね』
『ホンマやな!槍降るんちゃうか』
『坂上~名前で呼ぶ仲ならなだめてやれや~』
無視か…
うちの言葉を無視か
わざわざ忠告しとるのに
『うっさい!うちゎあんたらみたいな男がいっちゃん嫌いやねん!』