王子様と秘密の××
あたしも、そのなかのひとりだった。
朋樹先輩は男女問わず、みんなに優しくて。
先輩は中学を卒業しても、たまに部活に顔を出してくれたり、受験前にはあたし達に勉強を教えてくれたりして、先輩たちの中では1番仲が良かったかもしれない。
あたしがこの学校に入学してからも、バスケ部の試合があると誘ってくれたり、購買で会うとイチゴオレをおごってくれたりいつも優しく気にかけてくれていた。
「…俺はアイツの慕われ話なんて聞いてねぇんだよ。この鈍感女」
「…いっ、いひゃい~~!」
どうやら悠が聞きたいのはそこではなく、あたしは頬を思いきり摘ままれた。