愛しい背中
カタ・・・


鳴り続けていた音が途切れたと同時に私は椅子を元に戻して背を向ける。



「コーヒー、飲む?」



さっきまでは見えなかったストライプのネクタイと銀色に光るタイピンが私の視線の高さにあった。



「あ、私が淹れますよ」

「あぁ、いいよ。たまには俺が」



そうしてまた、あなたは私に背を向けた。


広い背中

Yシャツから透ける肩甲骨

腰骨までのラインが堪らなく好き



そんな背中に惹き寄せられるように私は静かに席を立つ。


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