砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】
「それで、私と一緒に花見に行ってくれるようになるのか?」

 帝の方が恐る恐るといった風情で口を開いた。

「はい、それは私がお約束させていただきます」

 龍星がきっぱりと言い切ったので、帝は何も言わず席を立った。

 千は牛車に乗って左大臣家に向かう。

 龍星は先に左大臣家に向かい、人払いをしていた。

 しばらくして、牛車が到着し、千が一人でおりてきた。



……毬?



 はじめてみた千の姿に龍星は息を呑んだ。

 その姿は、今、自邸で眠っているはずの毬と瓜二つだったのだから。

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