ミックス・コーヒー
「よかった……。美葉、元気そう」
 ミクリが、自分の目から滲んだ涙を拭う。

「うん。私は今、元気」

「そう」

 ミクリは、初めて貴之達に視線を向けた。
「美葉が……お世話になっております。本当に、どうもありがとうございます」
 深々とお辞儀をする。

 いえいえ、と貴之達もつられて頭を下げた。

「ていうか……あの、イカちゃ……イヤ、ミクリさんは美葉とは、その、一体……」
 貴之が、しどろもどろに尋ねる。



「美葉は、あたしの双子の姉です」



 貴之の上げた声が、家の中にこだました。

 彼は今日、叫びすぎだ。
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