ミックス・コーヒー
 ミクリ、ミクリ。ミクリ、ミクリ。ミクリ、ミクリ。

 思考が止まったはずの頭の中で、無我夢中に彼女の名前を繰り返す。



「……み、ミクリ!!……ミクリーっ!!」



 照明は、青白い彼女の寝顔をぼんやりと照らしていた。



 彼女の名前を叫ぶ尚樹の声が、果てしない夜空の闇へと響いて、消えていった。
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