ミックス・コーヒー
「これから、全てが決まるのかもしれないんだな」

 貴之が呟くと、店内は一層静まり返った。

 キッチンの壁に背中をつけ、腕を組み、終始無言の尚樹。


「4時」


 美葉の声と、貴之の腕時計の電子音が重なった。

 
 不意に、カランカラン、と鐘がなった。
 シブい音をたてながら、その扉が開く。



 決戦開始だ。
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