ミックス・コーヒー
 父はそれに気づいていたのか気づいていなかったのかはわからないが、特別何もしてくれなかった。

 その頃には、親子の会話はほとんどなくなっていた。

 ただ、美葉の行動は縛り続けていた。

 彼女の通っていた高校は定時制だったが、そこを卒業するまでは厳しい門限があり、その時間を少しでも過ぎると、異常なほどの罵声を浴びせられた。そんな日は、ご飯も食べさせてもらえなかった。
 時々、暴力を受けることもあった。

 高校を卒業すると、それはさらに悪化した。
 父は、家の二階の入り口に、鍵付きの扉を作ったのだ。

 美葉の居場所は、その扉の向こう側のみになってしまった。
 扉を開けて出ることができるのは、夕食の時間だけ。



 もう……限界だった。
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