君が見たいから ~ Extra ~

 唯にとって、このひと時は何よりも大切なかけがえのない時間だった。

 そばに座って見ているだけで、自然に笑みがこぼれてくる。

 たっぷり遊んでもらって疲れたのだろう。眠くなったセナがあくびをし始め、あっという間にパパの膝で寝付いてしまうと、ソンウォンが『やれやれ』と、半ばほっとした表情で子供部屋に寝かしつけに行った。


 彼が戻ってくるのを待ちながら、唯はコーヒーを淹れ始めた。

 フルーツとワッフル、チョコチップクッキーがあるけど、どれがいいかしら……。



『お疲れ様。セナったら大喜びだったわね。はい、これ』


 ふぅ、と息を吐いてリビングのソファーに再び落ち着いた夫の前に、熱いブラックコーヒーと切り分けたフルーツの皿を置く。

 カップを口に運びながら、彼が呟いた。


『もう三歳(満二歳)になったんだな。あのちびすけがいつの間にか成長したもんだ』

『あら、急に父親の感傷?』

『別に感傷ってほどでもないけどね。ほら、セナオンマ、突っ立ってないでここに座れよ』


 そう促され、自分のカップを手に隣に座った途端、彼がマグカップを取り上げテーブルに置いてしまった。

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