meet again~再会~
後編
(初めての失恋か…)

こうして原西と並んで座っていると、2年前のあの日にタイムスリップしたように思えてくる。不思議な気分だ。


「………」


「………」

何を話したらいいのかわからない。


ベンチに座ってから俺たちは、お互いに言葉を探していた。

長い沈黙―。


辺りは静寂に包まれ、小鳥のさえずりさえも聞こえない。


(何か話さな…)


この長い沈黙に耐えきれなくなった俺が口を開こうとした、その時だ。


「ねぇ、高井くん?」

原西が俺より先に、この長い沈黙を破ってくれた。


「な、何や?」

「高井くんさ…卒業式の日のこと、覚えてる?」

不意に言われ、俺はドキッとしたが、すぐに『ああ、覚えてるよ』と答えた。



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