ヴァンタン
魔法の鏡
チビは夢でも見ていると思っているのか、屋根裏部屋のベッドでいつの間にか眠っていた。


でも却って、パパのお土産の鏡を探すには良いチャンスだと思った。


それは私がねだった物だった。


嘘か本当か。
お伽話に出てくる魔法の鏡だった。




年に数回しか会えないからなのか。
親子の時間を大切にしてくれたパパ。

ベッドでの絵本の読み聞かせは、パパが担当になる。

小学生と言うのに甘えん坊で、やっと逢えたパパを独り占めしたかった。
それには、寝付くまで一緒に居られるこの時間が最適だったのだ。
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