ヴァンタン
――魔法の鏡は屋根裏にやはり置いてあったんだ。


――母が移動させた後、私が又其処に置いた。


――だからチビはずっと屋根裏部屋に置いてあったものだと思ったのだ。


――だから私はずっと屋根裏を探したんだ。


心を落ち着かせる為に、蛍光灯を消してみた。

トップライトから月の光が二人を照らしている。

チビが泣いている。
その理由は解っていた。

でも……

泣きたいのは私だった。


私は魔法の鏡が動かないように、屋根裏部屋にあったガラスの小箱を添えた。




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