ヴァンタン
再会
チビは夢の中できっと戦っているのだろう。

私はチビに言われた通り試してみようと思った。


私はもう一度チビを背中に負ぶった。


「ボンナバン!」
私は曳航された船に気合いを入れて飛び移った。


着地した時の足の痺れと痛み。それらが何故か気持ちいい。

だってパパに会えるかも知れないから。
やっと記憶の底に眠っていたパパに……たどり着く事が出来たから。
だから嬉しいんだ。


例え幽霊船の骸骨達に魂を乗っ取られていたとしても私は嬉しいのだ。

チビとの冒険に出発した事を誇りに出来るように……

チビに同じ体験をさせる為に……

パパを感じられる為のリボンに託す。


そして今改めてパパを探し出そうと誓った私だった。


大きめのTシャツ。
ハーフパンツ。

動き回るのには丁度良かった。
私はやはりこの為に、何時もこんな格好で眠っていたのだ。


そうパパを助け出す為に。




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