モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…らしい?」

「実際に、森の中には
入れないのですよ。」

「どういうこと?」

「おそらく、結界だと
思います。それも、
村人は入れて僕は入れない
ところを見ると、高位の
能力を持ったシスターに
よるものでしょう。」

「…姫乃から、そういう力の
気配はしなかったよ。」

「えぇ。わかってます。
ですが、我々が森に
入れないのは事実ですよ。
ついでですから、
確かめてみればいい。」

「…。ここだ。」

凍夜が足を止めたのは、
村の小さな教会の
向かいにある一軒家だ。

家の周りの道具を見る限り、
教会の管理をしている
家なのだろう。

「…なるほど。確かに、
嫌なにおいだ。これは、
連中が食い散らかしたとみて、
間違いなさそうですね。」

ノークスも、顔をしかめながら、
家の周りと中の様子を探る。
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