モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
姫乃は嫌々ながらも
地主との交換条件に
応じたのだが、嫁ぐ
数日前にまたとない
チャンスが訪れた。

このチャンスに、
姫乃は内心でどれほど
あの二人に感謝した
ことだろう。

凍夜とノークスのおかげで、
姫乃はこの城にはいる
ことができたのだ。


そうして、知った。


この部屋が長く開かずの
間となっていたことを。

そして、この部屋の中の
モノは、恩情ある人に姫乃が
管理を任された時から
ただの一度も持ち出されては
いない。


そう。地主が姫乃に見せた
モノは精巧に作られた
偽物だった。
< 199 / 726 >

この作品をシェア

pagetop