モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

謎解き―凍夜

静かな城内で、凍夜は
のんびりとかくれんぼに
興じていた。

鬼は、凍夜だ。

隠れているのはたった一人で、
隠れ場となる城の面積は
半端ない広さだが、凍夜は
特に気にするでもなく
目的の少女を探す。

先ほど、昼寝を終えて、
姫乃を探しに行った厨房では、
東雲と天明があわただしく
ティータイムの用意をしていた。

姫乃が頼んだ菓子を作るのに
思いのほか手間取っているらしい。

わざとだろうな、と凍夜は
思ったが、美味しい菓子での
ティータイムは魅力的なので
黙って彼らに作らせることにする。

おそらく、姫乃は時間を稼ぐ為、
わざと従僕が困るような
注文をしたのだろう。

そんなことをしなくても、
姫乃が逃げ出さないと
わかった日から、従僕たちへの
命令は姫乃を見守って、
彼女の言葉に従うこと、と
いう内容に変えられている。

だから、姫乃がひとこと、
一人にしてほしい、といえば
済む仕様になっているのだが、
そんなことを知らない姫乃が
何か企てるのが凍夜の楽しみなため、
彼女がそれを知ることは
当分ないだろう。
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