モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
あまり大きくは
ないが、女一人なら、
十分通れる大きさ。

換気のため、この
窓はあけることが
できるし、ここは
3階だから侵入者
よけの格子も特に
はまっていない。

姫乃の部屋は、
この浴室の二つ隣で、
ここ数日窓の鍵は
あけっぱなしに
してある。

「…よし。」

覗き込めば、窓の
下には足場に
できそうなヘリもある。

…うん。わたしなら、
できる。

そう、無謀な確信を
持って、姫乃は窓に
よじ登り始めた。
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