モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
唐突に食事を始めた片割れを、
おもしろそうに見つめていた
ノークスも、姫乃の
二の腕に噛みつき、
その血をすすり始める。

今、凍夜はどんな顔を
しているのだろう。

姫乃の血を味わいながら、
ノークスはどうしても
笑みがおさまらない。


…よりにもよって、
漆黒の覇王の名を
今頃聞くとは。

凍夜とノークスにとって、
その二つ名は姫乃より
ずっとなじみ深いものだった。
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