モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
決して、凍夜に非はない。

非があるのは、勝手に
勘違いをして、心に
芽生えたものを
育ててしまった姫乃だ。

なのに、何も悪くない、
わけもわかっていない
はずの凍夜を、姫乃は
責めるような思いで
拒絶した。

まるで、凍夜がすべて
悪いかのように。


凍夜は吸血鬼で、
姫乃は吸血鬼の餌だ。

彼らに…彼にとっての
価値は、それがすべて。

そうと理解したうえで、
ここにいようと決めた。



なのに。



なぜ。



恋心など、抱いて
しまったのか。


餌としての待遇を、
恋心を育てる糧に
してしまったのか。


他の誰でも、餌という
立場なら与えて
もらえるもの。

決して、姫乃という
一人の女に、与えられる
ものじゃない。
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