モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
そう理解すれば、
次第に溢れてきた
ものは、醜くどす黒く
歪んでいた。


姫乃と同じように
優しくされた女が、
許せない。


そうして、恐怖した。


この、醜く入り乱れる
感情を、絶対に、
知られたくない。

おそらくはもう、
この世にいない女への、
醜い感情。

姫乃のことだけ
考えていてほしいという、
激しい感情。

餌でしかない自分に、
こんな浅ましい感情が
あると知れて、
凍夜に厭われたら。

凍夜の中にある、
餌としての愛着すら
消えてしまったら。

それが、ただただ
怖くてたまらない。
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