モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
死の香りが強くなって、
姫乃は恐怖に突き
飛ばされるように
身をひるがえした。

同時に姫乃の動きに
従った天明が、
鋭く鳴いた。

振り向いたすぐ先に、
黒を基調としたコートを
纏った男が立っている。

一瞬、凍夜かノークスかと
思い、安堵の息を吐きかけ。



気が、付いた。



二人では、ない。



その男は、姫乃の
嫌いな死の香りを纏い、
まるで定めた獲物を
見つけた獣のような
灰色の目で姫乃を
見つめていた。

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