モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…その猫と地主の屋敷で
見かけた猫はお前の血で
作った従僕だな。
しばらく見ないうちに、
また精度が上がった
ように見える。
やはりお前は天才だな。
お前がこの村に来ていると
知らなければ、普通の
猫としか思わなかった。」

シャディンが率直な
賛辞を贈った。

「褒めことばは一応
受け取っておきましょう。
旧友との再会も、一応は
喜んでおきます。」

「一応、が多いな。」

「…その娘は我々の獲物です。
手を引いてもらおう。」

「我々…お前は相変わらず、
大好きな兄にべったりか。
いい加減、距離を
置いたらどうだ。」

「!…余計なお世話です!」

本人が決して認めない
図星を指されて、ノークスは
思わず怒鳴った。

シャディンは、なだめるように
苦笑する。
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