モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

奇襲―ノークス

「…凍夜には
会わなかったの?
ノークス。」

聞きなれた
女の呼び声で、
ノークスは我に返った。

「…。」

いつの間に
ここに戻って
しまったのだろう。

沙羅を利用するはずが
完全に心を乱され
逃げ出したノークスは、
必死に策を練りながら
夜の町々を彷徨って
いたはずだった。


なのに。


なぜ、自分は
モントリヒト城に
いるのか。

目の前には、昨日
自分に襲われ、
泣き腫らしていた女が、
なぜかけろっとした
様子で立っている。
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