モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「凍夜がおもしろがって
甘やかしたのが裏目に出たようだ。」
「い…た…。」
あいている手を彼女の首にかけ、
わざと痛みを感じるように抑えつければ、
華奢な少女はか弱い力で必死に
抵抗して見せた。
しかし、そんな抵抗ではノークスの
加虐心をあおるだけで、とても
逃げ出すことなどできはしない。
「しつけが必要ですね。
餌ふぜいがつけあがると
どうなるのか、これからきちんと…。」
「ノークス。」
「!?」
何かに気付いたらしい凍夜の
静かな呼びかけで、唐突に話を
中断されたノークスは、身の
危険を感じて素早く姫乃を手放した。
微かな痛みが手の甲を滑る。
ノークスから解放された姫乃の
手には銀食器のナイフが握られていた。
完全な油断だった。
しかも、姫乃にしてみれば首を
絞められたことで防衛本能が働き、
何とか振り払おうとした結果だった。
それでも、ノークスを刺激するには
十分な行動。
甘やかしたのが裏目に出たようだ。」
「い…た…。」
あいている手を彼女の首にかけ、
わざと痛みを感じるように抑えつければ、
華奢な少女はか弱い力で必死に
抵抗して見せた。
しかし、そんな抵抗ではノークスの
加虐心をあおるだけで、とても
逃げ出すことなどできはしない。
「しつけが必要ですね。
餌ふぜいがつけあがると
どうなるのか、これからきちんと…。」
「ノークス。」
「!?」
何かに気付いたらしい凍夜の
静かな呼びかけで、唐突に話を
中断されたノークスは、身の
危険を感じて素早く姫乃を手放した。
微かな痛みが手の甲を滑る。
ノークスから解放された姫乃の
手には銀食器のナイフが握られていた。
完全な油断だった。
しかも、姫乃にしてみれば首を
絞められたことで防衛本能が働き、
何とか振り払おうとした結果だった。
それでも、ノークスを刺激するには
十分な行動。