モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
その顔には何故か
満足げな笑みが
満ちている。

開口一番、わけの
わからない言葉が
彼の口から飛び出した。

「それくらいあれば、
気にならないだろ?」

「…は…?」

「火傷。夕べ、ずいぶん
気にしていたから、
気にならない様にして
あげたんだよ。」

凍夜の言ってる意味が
まったく理解できない。

それは、たしかに、
この赤いアザのせいで、
火傷のことなど頭から
吹き飛んでいたが。

「…これ…病気とかじゃ
ないのね?」

辛うじて、凍夜の言葉から
理解できたのは病とかの
悪いものではなさそうだ、と
いうことだけ。
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