小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「……留守、なのかな?」


圭は今日も店番だって言ってたから、おばさんは家にいると思ったんだけど……。


留守なら仕方ないね。


あたしは、スクールバックからメモ帳とペンを取り出し、おばさんに置き手紙を書いた。


“おばさん、浴衣ありがとうございました。この浴衣のおかげで、お祭りがいつもの倍以上楽しくなりました!! また来年も、この浴衣が着たいな!!”


来年の夏、この島に帰って来られるようにって願いも込めて書いた。


玄関に、浴衣と手紙をそっと置いた、その時。


廊下の右側のドアが開いて中からおばさんが出てきた。


「あ。歌恋ちゃん」


9月になったと言っても、この島はまだまだ真夏のように暑いのに、部屋から出てきたおばさんは薄ピンクのパジャマの上にグレーのカーディガンを羽織っていた。


髪は緩くひとつ結びにしていて、何だかとても疲れているように見える。




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