小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


9月29日。


土曜日の昼、悲報の電話を受けたのは、ウチのお母さんだった。


圭のお母さんが、亡くなったという。


悲しすぎる知らせを受けたお母さんは、静かに受話器を置き、しばらくその場に立ちつくしていた。


リビングの入り口でそれを聞いていたあたしもまた、しばらく呆然と立ち尽くす。


おばさんが、亡くなった……?


一時は退院できるかもしれないって言ってたのに……。


圭が最近あたし達を避けるような態度をとって何にも教えてくれなかったのは、自分の母親に死期が近づいているって知ってたから……?


あたし達に、余計な心配をかけないようにしてたの?


……圭の、バカ。




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