小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
あと3日。
あと2日。
島に帰る日が近づいている。
ワクワクした気持ちが、どんどん膨らんでいった。
「はい、お疲れ様」
島へ帰る前日、バイトが終わり裏口からお店を出ると、武内くんがあたしを待っていてくれた。
冷たい缶コーヒーの差し入れと共に。
「いつもありがとう、武内くん」
缶コーヒーを受け取ると、手にひんやりとちょうどいい冷たさだった。
「送るよ」
裏口は光りがなく薄暗かったけど、明るい月明かりに照らされ、武内くんの優しい頬笑みがぼんやりと浮かんだ。
「ありがとう」
あたしも、武内くんに微笑み返す。
あたし達は、表に出て静かな住宅街を肩を並べて歩いた。
真夏の夜はとても蒸し暑い。
冷たいコーヒーを口に含むと少し体温は下がるけど、それはほんの一瞬だけだ。
「ムシムシするね」
手で顔をパタパタ仰ぎながら言うと、武内くんも胸元の服を少し浮かせ体の中に風を送り込んでいた。
「明日の準備はもう終わってるの?」
隣を歩く武内くんが、あたしを見下ろす。