小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「あ、そうだ。良ちゃん、食欲ある?」
あたしは、さっきスーパーで買ってきたものを袋から取り出した。
「バナナだ!」
大好物のバナナを見つけた良ちゃんの声が少し元気になる。
「モモのゼリーもあるよ。今食べられないなら、おばさんに冷蔵庫に入れててもらうけど」
「ゼリーなら今、食べれそう」
そう言って、良ちゃんが上半身を起こす。
あたしがゼリーのフタをとってスプーンと一緒に良ちゃんに渡そうとしたら……。
「んあ」
良ちゃんはあたしからゼリーを受け取らずに、アーンと口を大きく開けた。
「……え、なに?」
眉をしかめると、良ちゃんは指で自分の口を指し、
「食べさせて」
と、子供のような事を言いだした。
あたしはおかしくなってプッと吹き出す。