光のもとでⅠ
「わかりました、引き受けます。その代わり、こちらも引き受けてもらいますからね」
 そう口にして顔を上げた彼女は、小悪魔的な笑みを浮かべていた。
「来週の日曜日、ちょっとしたパーティーに出なくてはいけなくて、でも、私はそれに出席したくないんです」
 ちょっと話が見えない……。
「そこに集る人たちは私の花婿候補だから。そのとき、私のエスコートをしてくださいませんか?」
 それって――。
「相手が誰でもいいわけじゃないんです。私、自分の相手は自分で決めたいので……。家に対して食って掛かるつもりです。それには、隣に好きな人に並んでもらわないと困るんです……」
 え……。
「蒼樹さん、何か言ってください……」
「っていうか、俺も誤解をしそうなんだけど……」
 俺にその相手を頼むっていうのは――俺を好きって誤解するよ?
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